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新作14[似顔絵の人]

その昔、石川氏のデスクマットの下には、ファンの方々からの葉書が
何枚も並べてありました。
そのうちの一枚には、見学に見えた際の丁寧な対応へのお礼の言葉が、
女性と思しき柔らかい筆体でしたためられ、石川氏の似顔絵が添えて
ありました。
これがまた素晴らしく良くできた似顔絵で、石川氏の照れ笑いした
ような微妙な表情が、色鉛筆で生き生きと描かれていました。
あんなファンレターをいただけるなんて、製作者冥利に尽きますね。

でもね、ずっと疑問に思っているんです。
あの女性は、作品のファンだったのでしょうか?
それとも、石川氏個人のファンだったのでしょうか?

こんな風に書くと、そんな事は問題じゃない!とドヤされそうなので、
あえて蛇足を。

春の声を聞きながら名残雪を踏みしめる、そんな矛盾を内包した世界を
象徴するような陽気の中、右も左も分からぬままに飛び込んだ業界で、
走りに忙殺されてほとんど顔を会わせられない直属の上司の人柄を、
「あぁ、こう云う人なんだろうな」と、素直に感じさせてくれたのが、
この似顔絵なんです。
ありきたりの言葉よりも雄弁に語りかける「力」。この1枚の葉書から、
それを強く感じました。
その「力」の源が、どこにあるのかを知りたくなるのは、人情と言う
ものでしょう。
いや、別に答えが知りたい訳では無いんです。
問題として提起し続ける、問いかけ続ける事が重要なんです。
つまり、そう云う事です。

* 御愛読いただいております当コラムは、今回を持ちまして、しばし
休載させていただきます。
ネタを・・・もとい、英気を養って再開したいと思いますので、宜しく
お願い致します。

[担当:三本]


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