草薙 素子(MOTOKO KUSANAGI)

元陸軍501機関所属の完全義体のサイボーグ。生まれたときから生身の肉体を持ったことがない。その操作技術は他のサイボーグを凌駕し、ハッカースキルも超ウィザード級とされ、14歳にして軍部のデータを書き換えたと言われている。恩人であるマムロ中佐が生前書き残しておいた推薦状により501機関より独立。軍を対象としたフリーのコンサルトとしての活動をはじめる。荒巻からの公安9課への異動の誘いを断って自身の部隊を設立。正式認可を得るために雇われ部隊として実績を残そうとしている。


荒巻 大輔(DAISUKE ARAMAKI)

通称『部長』と呼ばれる公安9課の長。旧調査部出身。その行動力と用意周到さから軍や政界から一目置かれており、テロなどの国家安全を脅かす凶悪犯罪を未然に防ぐために内閣総理大臣直轄の攻性の捜査機関設立を目論んでいる。草薙とは仕事を依頼する関係にあり、配下に引き入れようとともしている。


バトー(BATOU)

『眠らない眼』と呼ばれる義眼を持つ陸軍空挺特科第一出身の元特殊部隊員の大男。最終階級は少佐。全身のほとんどを義体化しており、多くの戦場を渡り歩いてきた数々の戦闘経験を持ち、特に電子戦を得意としている。戦場で草薙素子とも何度か顔を合わせているらしい。強面の顔に似合わず情にもろく、なにかに付けて一言多く、剽軽な一面も持ち合わせている。草薙の部隊に参加し活動中。


トグサ(TOGUSA)

新浜県警刑事部の特捜刑事。従軍経験あり。電脳化はしているが体はほとんど生身のままであり、妻子を持つ一家の長でもある。刑事として状況の積み重ねによる推理考察を得意とし、弾詰まりなどの事故が少ないリボルバーを愛用している。草薙の引き抜きを受け、新人として部隊に参加。


イシカワ(ISHIKAWA)

元陸軍情報部の大尉。9課の中にあって最も経験豊富なベテラン。主にハッキングやネットの情報解析などの任務や支援を行い、防壁からウィルス、ワクチンの作成に対応する、縁の下の力持ち的な存在となっている。草薙の部隊に参加し活動中。


サイトー(SAITO)

元海兵隊のエース・スナイパー。最終階級は大尉。狙撃に特化した義体を持ち、左目の狙撃支援システム『タカの眼』で衛星とリンク、気象条件などを瞬時にフィードバックし、長距離弾道狙撃を可能としている。陸軍情報部や空挺特科との作戦経験もある。ギャンブル好きでもある。草薙の部隊に参加し活動中。


パズ(PAZ)

陸軍警察の潜入調査員。階級は中尉。ナイフなどの近接格闘術を得意とし、内偵調査などで培った経験から、人を欺くことに長けている。旧態依然とした組織に身を置きながら自らの能力を生かす場を求めていたが、草薙が部隊を作ろうとしていることを知り部隊に参加した。


ボーマ(BORMA)

陸軍空挺特科第一出身の元特殊部隊員。スキンヘッドの義眼男。最終階級は中尉。爆発物を扱った特殊工作などを行なっていた。電子戦の技術や、ネットの捜査能力も高い。外見とは裏腹に繊細な性格の持ち主である。草薙の部隊に参加し活動中。


ロジコマ(LOGICOMA / LOGISTICS CONVEYER MACHINE)

2022年に製造され、コンテナ内部に武器や弾薬などを収容する熱光学迷彩装備の歩兵兵站用輸送支援車両である。ロジスティクス・コンベイヤー・マシンの略称でもある。型番はLCM22。指揮官を識別し自律支援する程度の発展型の人工知能は持ち合わせている。公安9課に試験配属されており、搭乗スペースは未搭載。装備拡張が許可され腕部パーツの取付が行われる。


ツダ・エマ(EMMA)

電脳ネット・ゲームのヒットメーカーで“ティンマン”の名義で活躍していた戦災孤児の17歳。501機関の長クルツがその腕を見込み、草薙素子の後任としてスカウトした。少女型の全身義体を使用している。なんらかの理由で501機関から突如失踪。水売買の価格協定に対するデモで発生した銃撃事件の最中に、その身柄を素子たちに保護される。


ブリンダジュニア(VRINDA,JR.)

32歳の男性。幼少期より特異な才能が認められ高度福祉センターに入寮。会計士として生活していたところを陸軍情報部にスカウトされる。それ以降の記録は存在していない。


クルツ(KURUTSU)

陸軍501機関の長。義体化部隊を率いて国内外問わず、草薙素子とともに任務をこなしてきたが、上官の死により後任として指揮をとることになった。戦後の組織再編が進む中、解体の汀にある組織存続に尽力しており、501機関の指揮官のまま、国防省北原副大臣の推薦で陸軍情報部のホヅミ大佐と入れ替わる形で次世代主力兵器検討委員会の委員に就任。戦時ビジネスにおいて国外カルテルと癒着してきた国外派の一掃を狙っている。


ホヅミ(HOZUMI)

陸軍情報部大佐。殿田大佐の後任で全身義体の軍人。傲岸な性格で格下の現場が好き勝手に活動するのを快く思わない。次世代兵器開発において国外カルテルとの兵器の売買ルートが維持されることを望む国外派であり、国内派のクルツとの対立は根深い。


サイード(THIED)

カルディス人の独立運動による内戦が続いているクザン共和国の国営水企業の代表者。産業省の誘致を受け日本国内にダムを所有している。カルディス人でありながらクザンの国立大学出身で政府に協力する姿勢を見せており、内戦の平和的の解決を望むことを主張している。四ヶ月前に発生したハリマダラ重工業へのサイバーテロを含む一連の事件を契機に国内派に服従することとなり、国内派ハリマダラ重工業との提携発表を間近に控えている。


パイロマニア(Pyromaniac)

ファイア・スターターに感染したウィルスの信奉者である電脳ウィルス・ブローカー。ファイア・スターターの可能性を信じその流布に尽力しており、陸軍情報部ホヅミ大佐とも接触があった。米国情報部の情報によると、南米系のガルベスという人物であることが判明しているが、その詳細は不明。『炎の天使』の一節を口ずさむことがある。