テレビシリーズ第1話からほぼ1年前の物語 人類とフェストゥムの双方から身を隠していた竜宮島は,フェストゥムにより探知される危機を迎える.眠れる乙姫を抱き,いまだ戦う用意の整わない竜宮島は,迎撃することを選ばず,島の一部・アルヴィス左翼部L区画を切り離して囮とし,本島へのフェストゥムによる探知をかわす作戦・L計画を実行する. 作戦に投入されたのはプロトタイプ・ファフナーのパイロットをふくむ38名.彼らの任務は,一定期間フェストゥムの注意を引き続け,最終的に囮である偽島を消滅させ,竜宮島の存在を隠すこと.その上でプロトタイプ・ファフナーとともに帰島し,実践データを竜宮島にもたらすこと.全員生還を目指したプランが用意されるが,囮となった者たちは次々にフェストゥムの襲来によって命を落としてゆく. 一方,竜宮島ではいつか来たるフェストゥムとの決戦のため,ファフナー・ノートゥングモデルおよびジークフリードシステムの実戦準備が行われていた.L計画は,数々の犠牲者を出しながらも最終段階に至り,フェストゥムにそこが竜宮島であると認識させたまま,囮である島の消滅に成功する.彼らを救助するために竜宮島からノートゥングモデルの出撃が準備される.海中にフェストゥムは存在しないはずであったが,代謝する結晶へと進化したフェストゥムが,海中へと脱出した計画参加者の乗る潜水艇を襲う.その時点での生存者は,将陵僚と生駒祐未のプロトタイプ・ファフナーのパイロット2名のみ. だがプロトタイプ・ファフナーのパイロットたちは,フェストゥムの探知能力が竜宮島の予想を上回っていると判断し,突如として進路を変え,何もない深海へ向かう.竜宮島のCDCは,彼らの行動を理解し,救助を断念する.その4カ月後,プロトタイプ・ファフナーの一部——「誰もいなくなったコクピット」が回収される.そのコクピットには,実戦データと,竜宮島へのメッセージが残されていた.
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