■ アストラル・セイル(天帆)

アストラル・カレントが物質に直接及ぼす作用は通常弱く、宇宙船の推力として利用するには特別な手段を要する。それがカレントを風のようにはらむ”宇宙の帆”、アストラル・セイル。

”帆”の実体はセルと呼ばれる分子レベルの細片が平面状に無数連なったもので、厚さ1メートルにも満たない薄いチャンバー内に電磁的に固定されている。このチャンバー1つ1つをエレメントと呼び、このエレメントを多数重ねて1つの空間に収めている。これを便宜的にマストと呼んでいる。マストは船体内部にシンメトリーに配置されている。

チャンバー内の磁場を変化させるとセルの角度が変化し、カレントから得られる推力の方向や大きさが変わる。