第四章「惨禍ノ地」

前へ。向こうへ。宿命の、その先へ——

クリシュナ軍にナルヴィを隊長とした特別遊撃隊「ミレニル部隊」が編成される。錬成訓練中の部隊は突如、先の戦闘でクレオとともに捕獲・接収したエルテーミスの襲撃を受ける。さらなる改修を受け強力になったはずのデルフィングが手玉に取られ、ナイルやロギンの加勢なしには制止さえかなわない。ゼスですら手こずった機体を易々と乗りこなしていたのは、バルド将軍のひとり息子にしてミレニル部隊の隊員候補・ジルグであった。〝味方殺し〟の罪で投獄されていたジルグの編入に誰もが反対する中、彼の実力を目の当たりにしたライガットはただひとり意外な行動に出る。一方、アテネスではボルキュス将軍率いる大部隊が進撃を開始。対決が刻一刻と迫り、ミレニル部隊員それぞれの想いが交差する。ボルキュスはクリシュナ国境を突破、バルド大隊はアラカン荒野でこれを迎え撃つ…。両軍の雌雄を決する大衝突が、遂にその幕を開ける!