イラスト:海谷敏久

何かがぶつかる鈍い音と、威勢のいい掛け声とが延々と、訓練室から響いてくる。

ハーディ「もう一回!!!」
アマンダ「はいっ!!!」
ハーディ「もう一回!!!」
アマンダ「はいっ!!!」
ハーディ「もう10回!!!」
アマンダ「はいっ!!!」
ハーディ「もう20回!!!」
アマンダ「はっ!?!」
ハーディ「冗談だ!!!」
アマンダ「はいっ!!!」
ハーディ「よし、今日はここまでにしよう!!!」

汗だくになったハーディが、肉体の限界までトレーニングを行う充実感に満ち満ちた声で言った。
「ありがとうございました!!!」
組み手の稽古の終了を、カラテスタイルの礼で勢いよく締めくくったアマンダが、
滝のように流れる爽やかな汗を流そうと、シャワールームに行きかけた瞬間、
すっと伸びるハ-ディの手が、アマンダの手を優しく捕え、勢いよく投げ飛ばした。

ハーディ「油断するなアマンダ!!!」
アマンダ「はいっ!!!」
ハーディ「もう一回いくそ!!!」
アマンダ「はいっ!!!」
ハーディ「もう一回!!!」
アマンダ「はいっ!!!」
ハーディ「もう一回!!!」
アマンダ「はいっ!!!」

任務時以外のほぼ毎日、威勢良よく繰り広げられるこの光景。
いつしかこれに加わるようになったジムが、アマンダにボロボロにされ救護室に担ぎ込まれる。そんな光景も繰り返されるようになっていった。