作品紹介xxxHOLiC

019.jpg

世間は夏休み。
新聞TVは連日、サマーでホリディ、レジャーかつヴァケイションな話題でもちきりである。
アニメ業界にもぽつぽつと休みに入る会社が出てくる頃。
業界全体で「せーの」で休めればいいのだが、毎週の放映に追われるテレビシリーズの現場が
そんな牧歌的な状況であるはずもない。

休みをズラして稼働してくれるというありがたい原画さんや動画・仕上げスタジオを探して、
制作進行の営業攻勢は今夏も苛烈を極めるわけで———。

今夜のxxxHOLiC 第19話は、「リフジン」。
“アニメの夏、日本の夏”を的確に言い表すヒトコトであり、この時期このサブタイトルは
皮肉としか思えない…のはココロが渇いている証拠。

そしてアロウコトカ、本編の舞台はなんと真冬。
xxxHOLiCのキャラクターたちが総出演して一面の銀世界で雪合戦を繰り広げるとなれば、
「気持ちだけでも涼しげでいいじゃないか」などという上司の場当たり的な思いやりも、
灼熱の外回りから生還した新人制作ミナミ(※)を1ミリもなぐさめないのだった。

さてxxxHOLiC本編におけるリフジンはと言えば、当然、我らが四月一日君尋の扱い
相場が決まっている。
侑子さんマルモロモコナはもとより、百目鬼は普段から阿呆よばわり、ひまわりに至っては
キラキラした笑顔で四月一日を翻弄する───もはやxxxHOLiCの日常風景である。

主役キャラとしてはあまりに哀れな四月一日だが、考えてみると、彼のような男の子がもし
現実にいたならば、実はかなりのモテキャラなんではあるまいか?

まず、一途。つかみどころのないひまわりのリアクションにも決してへこたれないさまは、
見ていていっそすがすがしい。
マメでキレイ好き、顔も見た目も悪くない。実は百目鬼と並んで運動神経もいいという。
なにより料理が上手い。小豆を煮るところからおはぎを作ったり、自家製イカの塩辛だの
さわらの西京焼きだのを苦もなく作ってしまうあたり、かなりポイント高い。
筆者もメガネと生まれたからにはこうありたいものだが、いかんせん等身からして程遠い。
残念な感じである。

いろいろいいところはあるのに、何故かというかやはりというか…今回はいつも以上に
リフジンな目に遭わされる四月一日。
コント・天然ボケ・アクション・豪華キャスト、そして飛び道具級のゲストキャラまで登場。
なんだか、おもちゃ箱をひっくり返したような話数に仕上がっている。
夏の盛りの雪合戦、四月一日のいじられっぷりをぜひ、暖かく見守ってやっていただきたい。
…暑いけど。

※ミナミ…'06春入社、新人制作。今回話数の担当制作。