作品紹介xxxHOLiC

title24.jpg

TVシリーズ「xxxHOLiC」は、今夜放送の外伝「ツイオク」をもってついに最終回。

この制作日誌も、外伝(番外編)としてシリーズを振り返ります。

2005年8月、「劇場版 xxxHOLiC 真夏ノ夜ノ夢」が公開されたとき、シリーズ企画はすでに動き始めていました。
シリーズ構成に脚本家の横手美智子先生をお迎えし、さらに原作者のCLAMP・大川先生が参加されることに。コミックのストーリーを生かしつつ、人間関係の整理・放送時期にあわせた展開など、あらたな構成が練りあげられていきます。

その年の秋には、水島監督のコンテ・演出による第1話の現場作業がスタート。
筆者が制作進行を務めました。
どんな作品であれ、第1話の現場というのは手探り状態になってしまうもの。

各スタッフ間の注意事項などの確認、素材のフローやデータの扱い方のチェック、作画や彩色作業の「重さ」(かかる手間と時間)を見極める、etc...
川口プロデューサーや阿部デスクが敷いてくれたレールに実際の現場を乗っけてみて、続く話数の道筋をつけることが、制作進行としての自分のテーマでした。

そして、以降の話数も次々と作業IN。
なによりも脚本作業が順調だったことがxxxHOLiCの現場全体を支えていました。
新人も含め、制作進行は4人。I.Gの中では比較的少人数の制作態勢で、準備が進みます。

そして今年、4月6日の放送開始。同時にこの制作日誌の掲載もスタートしました。
当初あった数本のストックもたちまち底を尽き、中盤以降は本編よりも納品が遅れるというていたらく…は置いといて。

制作進行が各自のやり方や「リズム」みたいなものを確立して、歯車がかみ合っていた夏。
進行間の横のつながりがあることで、効率的に制作していけたことが収穫と感じていました。

終盤はやはり、じりじりとスケジュールの余裕を減らしてしまったセクションもありつつ、それでもクオリティを落とさずに間に合わせてくる底力に驚きもしつつ…
終わってみれば、全スタッフの全力を引き出せた、良い形のシリーズになったと思います。

自分自身としても制作進行の仕事のみならず、この日誌を書かせていただくなど、いままで積んできたことに足を掛けて、うんしょと一段登るような、そんな現場でした。
機会を下さった水島監督、川口プロデューサーへの感謝の念に堪えません。

さあ、今夜のxxxHOLiC 外伝「ツイオク」は、四月一日が小学生の時のお話。
そのころから「アヤカシ」を見てしまう四月一日。今日も学校帰りの道すがら、塀から生える白々とした『腕』を見てしまう。ぐきり、と動き出した『腕』たちに追われ
絶体絶命のとき、桜の木の上から呼ぶ誰かの声がして———。

四月一日のルーツ…つまりはxxxHOLiCの過去といま、そしてまだ見ぬ未来を結ぶ、最終話にふさわしいエピソードです。
約半年にわたってシリーズをご覧いただいたみなさん、そしてこのつたない制作日誌を見て下さっていたみなさん、本当に、本当にありがとうございました。

今夜も、お楽しみに。